インディアン・マドラスの魅力と多様性
マドラス・チェックが好きだ。
VANに入社してから、そのことに気付いた。気付かせてもらった要因は、二つ。
一つは、その無限とも思えるほどの多様性。そしてもう一つは、インディアン・マドラスの粗野なくらいの風合いだったと思う。
VANがインディアン・マドラスのシャツを発売した当初は、“色落ちする”というクレームが相次いだらしい。しかし、色落ちしないように加工することよりも、VANはその粗野感を重視。「色落ちします」というタグを付けるという解決策を採った。
タグの存在は知っていたが、その経緯を聞いて僕は、大笑いしながら拍手をしてしまった。インディアン・マドラスを色落ちしないようにすることより、それによって失われかねない“粗野なよさ”を選ぶところに、VANの自信とセンスを感じた。
やがてマドラス・チェックは、商品としてあまり見かけなくなっていった。事情は察しがついた。
何しろ種類が多い。多くないと、魅力的には映らない。それぞれの種類を原反で仕入れ、S~LLまで4サイズ展開すると膨大な商品量になる。しかも、サイズ・バランスが取れていない不良在庫が大量に残る危険性もある。事実、VANでは様々な種類、サイズの在庫が大量に存在していた。
でも、マドラス・チェックが好きだ。見かけなくなっているからこそ、なお作りたい。インディアン・マドラスにもこだわりたい。
という訳で、迷いに迷った挙句、ジャケット用素材約30種から選んだのが、マドラスジャケット三種。
半袖プルオーバーBDシャツ用素材には、もっと困った。インドから輸入できる素材、と持ち込まれたものだけで100種類以上。小ロット可とはいえ、輸入するに当たっては、ある程度の生産量は必要となる。見込みロスを価格に組み入れるようなこともしたくない。‥‥‥‥覚悟を決めた。やるしかない!バーミューダも作るぞ!‥‥‥‥
で、今はこう考えている。もっといいのは、選択自由度の高いマドラス・チェック製品の実現のために、パターン・オーダーを発展させていくことだ。せめて15~20種類くらいの素材を揃えておき、そこから選んでもらって生産する。
‥‥‥‥いつか実現したいものだ。
60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)
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